アートの歴史を知ることは非常に重要だと思う。
さほど共感されないから、改めて声を大にして言いたいっす。
自分は歴史学者でも美術関係者でもない普通のサラリーマンです。
けれども、商品・サービスのプロダクトアウトおよびマーケットインを考える上で、下手なビジネス書の言説よりもアートの歴史を見る方が参考になる場合があります。
アートの歴史こそがイノベーションの事例集であり、マーケティングのヒントです。
アートの歴史および体系を学ぶということは、
- どのようにして特定の人間ないしは集団がコンセプトを創ったか
- どのような経緯で大衆に受け入れられていったか
- どのような革新性や意義があったか
これらを知ることだと思う。
特定の主義の台頭、ある画家や作曲家の活躍はケーススタディです。
これはマーケティングの言葉で言い換えると、いかにしてキャズムを超えてマジョリティが受容したかを知ることに通じます。
アートの歴史を学ぶことは今日においても重要です。なぜならば、これから新しいコンセプトを打ち出し、人々の価値観をおし広げるための大きな示唆となるからです。
逆にアートの歴史を学んだならば、積極的に、新しいコンセプトを打ちたて、説明し、広め、社会に対してなんらかの影響を与える必要があります。
- クリエーターは、革新的なコンセプトを作り上げる
- コミュニケーターは、コンセプトのもたらす価値を言葉で説明する
- キュレーターは、編集を通してわかりやすい視点を提供する
- マーケターは、市場にその価値を問う(時には実態を伴わない異常なバブルを起こす)
- セールスは、世を説得し動かす
- ユーザーは、購入したり鑑賞したりして価値を享受しフィードバックする
メディチ家とルネサンス、印象派の抑圧からの評価、ピカソとディーラーの関わり、もの派の今に至る商業的な評価の高まりなど、興味深いエピソードであふれている。
どんな職種でもあてはまるヒントはあります。
長年積み上げられた歴史という膨大な資産を参考にしない手はないでしょう。
過去に縛られる必要はないが、しかし歴史の陸続きに立っていることを避けることができないのも確か。