スプツニ子!さんの著書が思いの外アツかったから書評かいてみた

  • Posted on: 2014年2月4日
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本日の一冊

リアルタイムに目撃した躍進

なまがつおは、2009年から2012年を大学で美術史を専攻していました。美術館に良く行き、アートに関するアンテナも人よりは張っておりました。
そんな中、ネット上でスプツニ子!の「グーグルの歌」や「スカイプの歌」が静かに話題になっており、「ITツールネタおもろいなーじわじわくるなー」と率直に思った記憶があります。(この絶妙なB級感も大きな魅力だったりします。)

気づけばネットだけでなく、2010年の東京都美術館「トランスフォーメーション」、2012年のICC「アノニマス・ライフ」と、実際の美術展で、印象的な展示を見る機会が何度かありました。名前も覚えやすく、スプツニ子!さんを「今をときめくアーティスト」なのだとがっつり認知しました。2013年になるといよいよテレビにも多く露出し、時にはネットで物議をかもし、話題の人となった感があります。「情熱大陸」がその存在を決定づけた感があります。

作品はだいたい、1)作品の主題となるデバイス、2)作品を端的に表す一枚の写真、3)作品のストーリーを伝える映像の3点で、インスタレーションを構成しており、一貫したスタイルに戦略を感じます。

同じ時代にぐぐっと成長し、活躍し、影響を大きくしていった人物です。ぼくらの同世代で注目のアーティストが出てきた。ええ、応援しないわけがありません。

スプツニ子!著「はみだす力」

さて、ここにスプツニ子!による著書ですが、女性向けの自己啓発本という感じで、主義としてのフェミニンな香りを漂わせた主張もあり興味深いのですが、この方向でのコメントは他に譲るとします。

創作活動に関する原体験・思想に関するコメントがやっぱり興味深く、同時代を活躍するアーティストとしての、重要な言質を記しているように思います。
印象に残った部分を箇条書きでサマります。
※なまがつおのサマリなので、「読み方」がもしかしたら偏ってるかも。

同調せず、異物である自分に自信を持つ

  • 「人が認めてくれるかどうかなんて、状況で変わる。でも、自分のやっていることに価値があると信じ続けるかどうかは、自分次第な気がする。」
  • 「キラキラ」側に同調しなかった(できなかった)、マイノリティだった。幼い時は露骨な疎外を経験するが、成長するにつれ、価値観の多様さをポジティブに受け止めていく。
  • MIT助教授に任命された。ミッションは異物たること。

企て、巻き込む

  • 一人では表現に限界があるので、人を巻き込む
  • チームでの制作を尊いと感じる
  • 制作で手がかかるとき、搬入がやっかいなときなどはTwitterでよびかける。

社会と積極的に関わる

  • 「サブカルの海」=閉鎖的で自己満足的な世界におぼれない。広く知ってもらう・広く世に影響を与えることは重要。知られないことは起きていないことと同じとして批判。
  • アートでお金を稼ぐことを追及すべき。助成金でとんとんとしない。予算内でおさめる予定調和な作品はアートではない。また、魂削って作品を制作したら、評価と報酬を得てハッピーになるべき。ゴッホのような「芸術家」然として他者を断絶するスタンスを否定し、社会と関わり、経済活動を肯定して、アートをつくる。

最後に

自分は、美術史を専攻したことに、「本当に正しい選択だったか?美術史なんて金になるか?なぜ実学的な分野を学ばなかったか?就活だいじょうぶか?」などと、無駄に悩んだ時期もあります。

ただ、本書において著者が主張するよう、「人が認めてくれるかどうかなんて、状況で変わる。でも、自分のやっていることに価値があると信じ続けるかどうかは、自分次第な気がする」のだと、なまがつおも強く思います。
ええ、いい意味で「はみでた」方向を選択できたと思ってます。

そんなことを改めて再認識させてくれました。

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